茨城県土浦市|PAINTPRO TSUTSUI(ペイントプロ ツツイ)|屋根塗装、外壁塗装、お家の塗替え

塗装の目的と耐久性

2008年3月22日

筒井塗装の塗料考察、今回は塗料の耐久性についてです。 樹脂成分が強ければ塗膜が長持ちすることはなんとなくわかると思います。 しかしそれは同一条件下、例えば 「同じサイディングの上に塗った場合」や「おなじリシンの上に塗った場合」 という、同じ条件のものでデータを取っています。 しかしあくまでデータ上、というところがネックで、実際のところ塗料は付加価値のついた性能があるだけで、樹脂系という意味では、ベースそのものが大きく変わったものはまだまだ少ないのが現状です。 塗料を塗る、という行為は、まず塗る目的があるわけですが、大きく分けると ①素材の保護 ②物質の美装 ③その他の機能 となります。①素材の保護は錆止塗装や防水保護をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。塗ったものを保護するという意味で、塗料の塗膜で紫外線や水分、酸素を遮断する方法などで保護します。 ②物質の美装はそのままきれいさを保ったりすることです。外壁塗装などもそうですし、車などの板金塗装もこの目的があります。建築塗装という概念で見てみると、デザインペイントのような美しさ重視=あまり長期間しようするものではないというニュアンスの時もあります。 さて、③その他の機能とは昨今のフッ素樹脂塗料のような超長期耐候性のようなものがあがっていましたが、近年では空気をきれいにする光触媒や汚れを分解するセルフクリーニング機能を持つ塗料、また結露防止塗料、防湿塗料、防音・抑振塗料、絶縁塗料や防塵塗料といった、塗る目的が特殊な場合や、塗ったものに付与されている特殊能力が期待されるものをいいます。 では、塗り替えにはどんな塗料が適しているのか? 壁の話をします。 お家の場合、住宅状況から考えると約30年住み続けることを考えられます。当然塗料の耐久度は早いもので5年程度、長いものは15年以上とされています。つまり一軒、速くて6回、長くても2~3回は塗り替えをするということになります。 しかし、最初に塗料ありきで話を進めると、住宅にはひび割れ(クラック)などが発生し、北面にはカビや藻が発生します。 西面は色がさめてしまい、南のベランダには錆が目立つ・・・。という現場を塗料から判断すると、ひび割れに追随する弾性塗料を塗ったり、紫外線に強いシリコン塗料を使ったりをします。汚れが目立つなら光触媒塗料、耐久度重視ならフッ素なら心配なし、といったところです。 しかし、上限なしに塗料を選択することはもったいないのです。 塗り替えは美装の意味を踏まえていますので、「色の飽き」というものも考えたほうが良いかもしれません。また先ほど説明したように、住宅塗装は平均すると10年に一回行うとされています。 10年後まで何とか持つか、10年後安心して持つかという話だと後者を絶対おススメするのですが、塗料自体が長持ちしても、お家の構造物が10年持つとは考えにくいのです。 例えばクラック対策に塗った弾性塗料、これはクラックを発生を抑えるものであって、「しなくなる」ものとは違います。 最近の弾性塗料は通気性能が付与されてはおりますが、一昔前までは、弾性塗料を塗ると通気がなくなるので、蛙の皮膚のような膨れが発生したり、室内がかびてしまったりという現象が起きました。 また弾性塗料は親油性(油と仲が良い)といって水玉のように水分をはじく反面、汚れを吸着しやすかったのです。 こういった塗料を塗って長持ちする!という理由にはならないのです。目的がはっきりしているなら良いですが、やはりきれいに長持ちさせたいとはいえ、戦うべきは自然相手、地球の物理法則に抗うにはそれなりの施工をしなくてはいけません。 さて塗料ありきのお話をしましたが、どちらかというと価格の方が気になります。 塗料が高級になれば当然塗料も高くなります。・・・が、冷静に考えてみると、100㎡近く塗れる塗料が16L缶で10000円と20000円あったとします。1回塗り100㎡塗ったとすると塗料代は100円と200円、その差100円。(塗る施工法が同じ場合ですよ) 1㎡で100円も違うとかんがえるか、100円しか違わないと考えるか・・・というのは施主様の価値観の違いです。塗る施工法が違う、例えばローラーがこて塗りになるとかでは、職人さんの腕や施工能力によってまちまちになってしましますが、同じもので塗料性能だけ違うなら、塗装店としては長持ちするものをおススメするのがセオリーです。 が、塗料だけでなくトータルで考えると、価格の安いものと言う選択枠も普通にありだと思います。 逆に下請会社などの場合、元請さまにマージンを取られているので、塗装仕様をあげてもらう場合、価格の安いものしか提示できないと言うことになりえます。そして一番怖いのが価格が先行しているので、塗料や塗装法にこだわることなく、画一作業で進んでしまうがために必要な作業を十分行われないことがありえるわけです。 工程を抜きたい人は早々いないはずです。工程を抜かざるを得ない何かしらの理由が存在しているのが問題です。 お金を出せばよい施工をしてもらえるというのも話が逆になってしまっていて、建物や塗料や塗装についてどれだけ真剣に向き合ってるかとか、塗料の謳い文句で踊らされることなく、施工法を確立しているかと言うことが大切です。 塗り替えにはどんな塗料を・・・というお話をしていますが、鉄部・木部・無機材質、とすべて種類が違うので、メーカーの塗料の一長一短を述べても意味がありません。また新規で塗る、剥がれたから塗る、色がおかしいから塗る、という目的別の状況もあるでしょう。 「ちょこっと塗ってあればいいんだよー」という職人さんや、理由なく「塗れます大丈夫です」一点張りの営業さんではなく、話せる塗装屋さんとお付き合いくださいね。 ご縁があれば(有)筒井塗装をよろしくお願い致します。