折半屋根の下塗り
2007年2月9日
折半屋根の下地処理です。
元請さまによる高校の自転車置場の折半屋根の塗装を行っております。
下地処理として最初に高圧洗浄を行い、その後ケレン作業にて錆を落とします。
写真は、繊維研磨材で、屋根鋼板を磨いている状態です。
こちらは錆も無く、きれいな状態です。が、傷をつけていきます。
何故きれいな面をケレンして傷をつけているのか?
それは、表面積を増やしているからなんです。
塗装というものは本来、きれいな面に施している分には、素材と密着相性が悪くない限りくっついています。
しかしながら、傷をつけることによって、表面積が増えると、一箇所における密着強度が強くなります。
キレイに掃除をし、錆を落としたり余計な付着物を除去するという作業も当然担っておりますが、それ以上にケレン作業というものは、
塗料の食いつきをよくする重要な作業になります。
「そんな傷つけてよいものなの?」と思う方もいるかと思いますが、表層の傷は大体3~5ミクロンいかない程度、それに対して、塗装膜厚は塗りで45ミクロンから75ミクロン、乾燥塗膜で25ミクロン~35ミクロンほど(1回塗り)です。
1㎡あたり130g程度しか使わない塗料について、密着力が1~2割増し程度強くなるということはとても重要なことです。
きれいな状態(錆が無いなど)の場合、そのまま塗装されてしまう塗装屋さんもいるとは思いますが、ケレン作業をすっ飛ばす塗装屋さんはいないと信じたいので、こういう作業をしているんですよ、だから時間がかかるんですよー。ということだけ伝えておきます。
最近では、塗料で密着力を増す方法や、そもそも目荒らし(ケレンと区別してこう言います)作業工程を短縮できる塗料が出たりと、品物自体が高品質になっているので、目荒らし作業をしないからといって、手抜きとは言わないと思いますが、私はこの方法が一番「塗装店」らしい作業だと思っております。
疲れるけど、楽しいんですよー。