天から来れるいかづちを、地に受け流すもの。
2007年6月16日
乗り込むは、ゴンドラ。
地表の空気とは違う、流れる風に心地よさを感じつつ、眼下に広がる街並を見下ろしながら、ポケットに入れたシャックルを握り大きく息を吸い込む。
もう片方の手には機械油だらけのワイヤーを握り、ゆっくりとゴンドラから離れると、いかづちを受け流す鋭く伸びたランスに手をかけ、そしてそのまま柄の中心よりやや上の所に、自分の指先の神経を集中させるのだった。
危険物倉庫の避雷針を支えるワイヤーが切れてしまったので、新しいワイヤーと交換しておりました。(笑)
ペンキをしまっている危険物倉庫の上には、雷の影響を最小限にするために避雷針がついています。幸いまだ雷が落ちたことはないのですが、錆びてワイヤーが切れてしまったので新しいワイヤーを縛りなおしておりましたよ。
なんていいましょうか、工夫するとどうにかなるというか、順序を守っているというか、ちゃんと道具がそろっているからなのか、作業が早い早い。まぁ仕上がりも手際よくできるので、なかなかきれいにできました。
金曜ロードショーで天空の城ラピュタを見た次の日ということもあって、なんか高いところが気持ちがいいんですよ、これがまた。
でも不思議なもので、高所作業車を垂直に近い位置まであげると、安全だとわかっていても、明らかに普段の生活のでは味わえない高さや揺らぎを感じると、本能が怖いと思うのですね。
高いところが大丈夫な私も、落ちたら死んじゃう高さまで上げると、不安になりました。
風の強い夜に、足場のネットシートを外しに行ったとき、月明かりに照らされた街並を見ていて、「あー、空飛べそうだなー」なんて考えてたのが嘘のようです。こわっ!こわー!!
で、この避雷針、先がとがっていて、建物の外側に這うようにくっついているんです、ものすごく太いワイヤーケーブルで。
そのケーブルとは別の、支えに使っているワイヤーを交換したときに、古いほうを撤去するわけですが、錆びてぽろっぽろになっているんです。手で引っ張るだけでさくっと切れてしまいます。スチールが長い年月で錆びると、ここまで痛むんだなーと、感心してました。
避雷針に守られている感じはしませんが、いつか、もしかしたらのための作業ってこういった地道な作業が大切なんですね。塗装作業も・設備作業も同じ感じがした一日でした。