茨城県土浦市|PAINTPRO TSUTSUI(ペイントプロ ツツイ)|屋根塗装、外壁塗装、お家の塗替え

エッチングプライマーなどの錆止塗料の話。

2008年9月22日

下地処理が大切、ということは大体どこの塗装屋さんでも言っていることだと思います。 特に錆止めの塗装を行う際の、塗装前のケレンや清掃、錆止塗装など。 しかし、錆止塗装を行うにあたって、便利なエポキシ樹脂系錆止塗料を使うようになってから、塗装屋さんの塗料の知識が極端に悪くなった気がします。 今日は、錆止塗装のお話です。 できるだけ簡単にわかりやすく説明できたらいいなー(笑) 錆というのは、大きく分けると黒錆・赤錆・白錆というものがあります。 黒錆と赤錆は鉄に現れる錆のことで、白錆というものは、亜鉛メッキが酸化したものです。 錆というものは地球上では安定したものです。 錆止塗装というものは、その自然の摂理に逆らう現象なのですね。 黒錆は酸化鉄の状態です。鉄がむき出しの状態より安定してます。 が、赤錆の発生している状態のほうが安定してます。 一度錆びてしまえば、その部分は安定しますので、 それ以上の錆の進行スピードは遅くなります。 錆はずっと進行していくものですから放っといてはいけませんけどね。 さて、錆が出た面に塗装するときには、ケレンという清掃をします。 錆は密着が悪いので、取ってしまうわけです。 そして、鉄の表面が出たところに錆止塗料を塗ります。 さて、錆止塗装とはなんでしょう。大きく分けるとこうなります。 一時防錆作業・・・錆止塗料を塗る前に錆びるのを防止するために塗る錆止塗料。 防錆塗装・・・錆の侵食をおさえるために塗る塗料。 つまり、ケレンした瞬間から錆び始めているわけですね。 ・・・どうすんのよ?という話ですが、間髪いれずに塗装するのが正しい工事です。 さて、「錆止を塗装する前の錆止塗装」という概念がありますが、 これを「エッチングプライマー」といいます。密着力向上、という方が正しい使い方になります。 エッチングプライマーには2種類あって、短期暴露型(短暴)と長期暴露型(長暴)があります。 短暴は黄色い塗料で、主にメッキ系の下地処理剤として使われ、長暴はモスグリーンの塗料で、鉄部の素面に使われます。 ここまで行ってから錆止塗装をするのが本当の錆止塗装なんですね。 短暴と長暴を使い間違えると防食性能として意味がありませんので、気をつけて。 特に亜鉛メッキの上の塗料を違えると、すぐにパリパリになりますよ。 しかし、このエッチングプライマー、効果の時間が短いんです。 短暴は塗り終わってから8時間以内に次の工程、長暴でももって3ヶ月というところです。 また錆止塗料自体の能力が高いため、エッチングプライマーを塗装することによる効果は密着力が上がる程度で、あんまり効果がないような気も ・・・また、再塗装を行う際にはまた剥がさないといけない場合もあったり、色々都合が悪い時もあるんです。 ほとんどの場合、 「塗工程数が増えてしまって、単価的に合わない」のと、 「エッチングプライマーを塗る必要のある鋼材は、現場には来ない」 という理由が大きいんですけどね。 さて、続けて本職の錆止塗料です。 錆止塗料には数種類ありますが、 鉛やクロムを使った、「化学変化にて錆を止める塗料」 鉛やクロムを使わないで「化学変化して錆を止める塗料」 エポキシ系・ウレタン系樹脂で覆い「酸素を遮断して錆を防ぐ塗料」 油の力で「酸化を防ぐ塗料」 大体こんな感じです。一番下の油は潤滑剤のようなことです。一番上の鉛やクロムの話は、先日の記事を参照して頂けるとよいかと。これから生産が減るということです。 さぁ、最近塗りやすい塗料は「エポキシ樹脂系錆止塗料」ですね。 しかしこれ、膜厚をつけないと意味がないんです。 化学変化する塗料は、酸素が鉄を結びついてしまう事象を、鉛をつかって防いでいるから錆びないわけです。 一方エポキシは、酸素を遮断してコーティングすることにより錆びさせないという発想なので、膜が薄いと意味がありません。 塗料の中で酸素透過率が低いものはエポキシ樹脂です。 ちょっと前に、ウレタン樹脂でコーティングして錆びさせない塗料もありました。 このウレタン錆止はかなりすごかったんですが、今どこ行っちゃったんでしょうね? ところがなんですよ。 エポ錆は従来の錆止塗料と違い、「塗ってあれば錆が止まる」というものではないんです。 しかしペンキ屋さんはついついいつもの塗料の癖で、「そういう塗り方」をしてしまうんですよね。 なので、最近すぐ錆びる、という事が起きるようです。 一方鉛系の錆止は、1種・2種という使い分けがあります。 ゆっくり乾く方が1種、早く乾く方が2種だと思ってください。 2種には通常、速乾、速速乾、超速乾、これまた種別があります。 錆止塗料は、鉄に吸い込まれます。・・・吸い込むもんなんです。鉄だけど。 錆止塗料はできるだけゆっくり乾いた方が、防食性能が高いんです。 しかし、ゆっくり乾いていると、次の作業はできないし、まして塗り重ねる時に問題が起きてしまいます。 なので通常は2種程度の塗料で錆止塗装をするのが一般的なんですね。 ちなみに1種は公共事業系で指示があるときしか使いません。 生産注文なので、そういう指示書や仕様書がないと買うことがないです。 よく歩道橋で、塗装面が全体的に錆びている状態と、花が開くようにパリパリになる場合、二つの劣化状態を見ることがあると思うんですが、あれは全体的に錆びる方が1種+2種、ぱりぱりになっている方が、2種+2種という塗装工程だと思われます。 乾燥が速い塗料というものは、塗膜が硬いので、割れてしまいやすいんですね。 だから、防食性能の高い塗料を、ゆっくり乾燥させた塗装が一番安心できます。 言い忘れていましたが、白錆の出ている亜鉛メッキには、 鉛酸カウシウム塗料とエポキシ樹脂系錆止塗料しか密着しませんのであしからず。 トタンに市販の錆止塗料を塗っても意味ないですからねー。 トタンも赤錆が出ていれば大丈夫ですけどね。 ウレタンとかシリコンとか言う上塗り塗料は「下塗塗膜を守るため」の、上塗り塗料なんですね。 重ね塗りという概念もそういう点が強いです。 錆止なんて塗ってあればよい、というわけではなく、技術や知識が必要だと思います。 かなり大雑把な説明ですが、これだけ知ってると意外と重宝します。 塗装のご質問は筒井塗装へご連絡ください。 ・・・できれば塗料単品ならメーカーさんに詳しく聞いてくださいね(笑)