下地の影響は受けるもので。
2025年2月20日

防水作業をしてました。
塗装工事だけでなく、防水工事も行っておりますが、写真にあるように、左側に見える凹凸は元の床シートの重ね部分で、右側の盛り上がって見える部分はシートの寄りです。
元の床はこちらの写真です。

こちらの防水層は、アスファルトシート防水というものでして、元は床のコンクリートに、アスファルトシートでできた防水層を加熱して密着させたものに塗装がされているものです。
こちらにプライマーを施工後、防水層となる主材を流した後にトップコートをかけています。
アスファルトシートは下地から剥がれて浮いてしまうことがあります。
これをバーナーなどで熱を加えれば再密着するのですが、アスファルトを炙るため、臭いや場合によって火災の恐れもあり、簡単な作業ではありません。
部分的にはヒートガンという熱風が出るドライヤーみたいな工具で行ったりしますが、大面積には火炎放射器のようなバーナーを使ったりします。
本来は全体を剥がして密着させたあとに、再度防水工事を行いますが、予算的な問題もありますが、『雨漏りしていないのに防水層を剥がす必要があるか?』という悩ましい問題が起こります。
今回は予算や工期の問題で、補のみで防水作業を行う流れだったので、多少の不陸は仕方ないということで、防水工程を終わらせましたが…。
不陸が目立つんですよね…。
塗料は何ミクロン、防水層は上げても5mm程度になるため、不陸がわかるほどの段差だと見た目には直りません。
塗装は見た目と素材の保護・回復。
防水は水の浸入を阻止する。
これが最大の目的になるため、最初から撤去や新設シートの施工を行うわけでない以上、下地の不陸の影響は受けやすいです。
結果、仕上がると一部、『うーん』という仕上がりになりえます。
ホントに細かいことを言うと、下地が浮くと、空気がある。空気があれば結露する、結露すれば劣化しやすく雨漏りの原因個所になりえる。それはあると思います。
でも、じゃあそれを直すとなった時に、雨漏りしていない場所に、今の漏っていない防水層を撤去し新たに防水するのでお金ください、という営業ができるか?となると、お客様の立場であればだいたい断られると思います。
写真だけみると綺麗になったと思いますし、防水層も流しているので、雨漏りのリスク心配は今までより格段に減りました。
しかし、見る人が見ると「浮いてない?」とか「処理がしてない」とか思われることなので、何とも悩ましいところ。
ここらへんの構造と素材の重要性がわかっている職人というものにこだわっていきたいと考えています。