茨城県土浦市|PAINTPRO TSUTSUI(ペイントプロ ツツイ)|屋根塗装、外壁塗装、お家の塗替え

ペンキ屋が「いばらきブルー」に物申す。

2007年11月28日

茨城地方裁判所の柵の色で、一議論行っているそうです。 いばらきブルー景観損ねる? 柵の塗替えしたいかしたくないかはともかく、塗装することによって景観を損ねるかどうか、また、塗り替えることによって裁判所のイメージアップを図れるかどうかが焦点なんでしょうけど、やれ法律がどうで、住民の意見がどうで、なんだか揉めているようです。 筒井塗装も一つ、考察に参加しますー。 塗装業者が考える意見というものはこんな感じです。 まず、記事を読んで頂いてからならわかりやすいですが、簡単に解説すると、 「柵を茨城のマークと同じような色で塗りたいのだが、景観に合う合わないで揉めている」 わけです。 ちなみに茨城のマークとは、 こちらにある通りです。 この茨城のマーク、塗装する際の色マンセル値は 「いばらきブルー」(マンセル値7.5PB3.5/13)鮮やかな青色 と定義されています。 マンセルについてはこちらがわかりやすいかと思いますが、 7.5PB 3.5 / 13     という表記は 色相 明度 彩度という意味ですので 「7.5という紫と青の間で、3.5という明るさで、13という鮮やかさである」 という意味です。 度数に関しては割愛します、リンク先で勉強していただけると詳しく判ると思います。 要するに、「濃くて鮮やかな青」を塗ろうとしているわけです。 裁判所の柵がブルー。・・・言葉で書くとなんとも落ち込みそうな感じですが、これが、市の方では「景観を損ねる」という理由で難色を示しているようです。 一方裁判所は「親しみやすくするためにイメージアップを兼ねて」ということらしいです。 さいわい、市の条例に違反する色ではないそうですが、「景観を守りたい」同じ気持ちを抱きつつ、「色では対立」というなんとも不恰好な事態になったようです。 親しみやすさを追って、茨城ブルーにしたかったのでしょうが、 街の意見としては「柵の色だけでは親しまない」というこれまた微妙な雰囲気・・・。 なぜなのでしょうか? まずは色合いについて、ブルーで「彩度13」というのは鮮やか過ぎるのです。 いうなればパステルカラーを通り越し、蛍光色のような鮮やかさがきつすぎる「青」・・・それを柵に塗ってほしいということです。それは、色を決める上で、どうでしょうか? これは裏話なのですが、看板などの場合は、法律上、色彩彩度が6以上とか8以上といった鮮やかな色を使うことが禁止されている地域があります。安全やら景観やら、理由はいろいろありますが・・・。 そんな法律を定めなきゃいけないような大切な色合い部分に対して、条例では定義されていないからといって、「彩度13」なんていう、Lv1で最強装備みたいな無茶やってはいけないと、塗装業者としては思います。 そして、裁判所の法律を扱うという硬いイメージからポップな色合いによるイメージチェンジ。・・・私は法則はずれが好きですが、これは一般常識感覚というか、物事の法則から考えて、どうなのでしょうか? そして、いばらきブルーのもつ、「青」という日本人のカラーイメージ。 青は落ち着きを取り戻したり、物事に集中したりするときには良い色なのですが、 つらい、寂しい、悲しいを連想させ、冷たい、寒い、クールといった色彩心理を働かせます。 また、時間を短く感じさせたり、距離を近くに感じさせたりする色なのです。 相手は裁判所、タダでさえ一般人には遠巻きに見てしまう裁判所です。 また、そこにお世話になる方は決して、楽しい時間を過ごすわけではないかもしれません。 そこをですよ?落ち着いた、つらく、肌寒く、距離の短くなるようなイメージにしたら・・・。 ・・・うーん。 個人的には((((;゜Д゜)))ガクガクブルブルって感じで、オススメしたくはないですねー。 どうなのでしょうね? 逆に真っ赤な柵にしたら、裁判終わっても、上告が絶えなかったり、表にでた途端喧嘩の嵐だったりと、闘牛場みたいでも嫌ですけど、・・・なにも青でなくても良いのでは?と思います。 純粋に紅白にしたら、おめでたい裁判ばかりになりそうですが、それでは「楳図かずお論争」になる気もしますね。 冗談はさておいて、景観を損ねる、までは行かないでしょうが、 見た目というのは人の感じ方で変わる、ということが根底にあるわけです。 イメージアップを図るなら、いばらきブルーに縛られることなく、 近所の人、お世話になる人、お仕事を携わる人みんなが「これ、結構いい色じゃない?」と いってもらえるようなカラーリングでなくてはいけないと思います。 また、イメージを変えるということは見た目の向こうに人がいるわけです。 イメージを一新するということは、同時に過去を捨てることにもあります。 法律という「揺るがないもの」を扱う空間に、イメージアップを図る必要性というのは、裁判員制度時代を考えての「人と裁判所との距離を縮める」発想が大きいのでしょうが、そこにある風格とういうものを守る事も大切なのではないかなと思います。 ・・・早い話、いばらきブルーに執着せず、もう少し落ち着いた青系の色なら、こんな問題にもならなかったと思うのが塗装業者の判断です。 ちなみに世の中はこんな結果だそうです。 うーむ、やっぱり誰しも判断のつきにくいということでしょうか。 青じゃなくて、ベージュとかアイボリーとかならだれも文句言わないと思うところです。 ちなみに個人的には、「斜めから見ると動物がみえる柵」とかにすれば、かわいいかと思いますし、「斜めから見ると某裁判ゲームの主人公が指差して反論しているシーンが見える」とかなら、裁判も楽しそうな気がしますけど。 堅い組織のユーモアある発想こそ、まわりを元気にする元だと私は思います