タッチアップの弊害。
2007年10月15日
どうも、筋肉痛が一日遅れてやってきて、少し戸惑い気味な筒井塗装です。
久々の現場レポートです。
・・・いや、現場に出てないわけじゃありませんよ?!(笑)
こんな工場の屋根のタッチアップ塗装をしております。
1棟が約16000㎡くらい?
避雷針のアースを押える金物の、
周辺の屋根材が錆びたと言うことで、
10cm×10cmくらいで、タッチアップをする。
というお仕事なのです。
・・・これがあと、4棟もあるんですか・・・。
仕事も頂ける事はありがたくても、途方にくれる数量です。
その数量、約60000㎡。しかもタッチアップ。
屋根の端にたどり着くのに片道約3分。軽くカップ麺が作れちゃいます。
で、屋根を見るとこんな感じ。
・・・結構錆びてるににタッチアップですか?
社長「現場の担当者がそう言うからねぇ。」
私「まぁ、できるだけおかしいところは直す方向で。」
そんなわけで始まったのですが、考えが甘かった。
タッチアップとは、建築塗装では「部分補修」のことを言います。10cm×10cm位で直すとなると、刷毛やローラーでちょんちょんと直すことなのですが・・・。
施主様や担当者といつも問題になるのが、このタッチアップ。
塗料は塗ると綺麗になるものだから、タッチアップをすると直した跡がかえって目立ってしまうのです。・・・それが目立たないようにするのも我々の仕事なのですけどね。
問題は、「どこまで直すべきか」ということ。
ペンキを塗る人間に言わせると、「錆びてたり色がおかしいところは、全部塗ったほうが綺麗」ということがあります。でも、そんなことしていたら時間がかかるし全部なんて終わらない、そもそも塗料が足りなくなる。
でも、いざ補修をすると「何でココもう少しやってくれないかなー?」という仕上がりになる。
仕方ないんです「タッチアップ」だから。
そんな悩みを写真に収めてみました。
補修部分のほかに屋根が錆びている状態。
私「どう見ても、1mくらいは塗らなきゃダメだけど10cm×10cmだよね?」
タッチアップ塗装じゃこうなる?
私 「これは塗装屋としてどうなのよ?」
職人さん 「そこは塗るしかねーだろう?」
タッチアップ塗装の言われた範囲かいこれは?
社長 「そこは、全部塗るしかないだろうなー。」
私 「でもこれ塗ったらさ?」
こうなるよね?
担当者「あぁ、10cm角くらいでよかったのに。でも、きれいだねーそれだけ直すと。」
私「でも、これじゃ全然塗料足りませんよ?いいんですか?」
担当者「どれくらい足らなくなりそう?」
私「うーん20本くらいですかね?」
担当者「は?」
私「下塗で20本、上塗りで20本・・・くらい?塗料が1本だいたい2万だから80万円くらいですか?材料だけで。」
その瞬間、一瞬だけ担当者の声のトーンが変わったことは言うまでもありません。
刷毛でのタッチアップで、錆の補修だったので、特殊厚膜のエポキシ塗料を使用してるせいか、住宅用と比べて、価格が高いです。そんな塗料を大量に使っていると、金銭感覚が良くわからなくなってきますね。
塗料って、建材の中では安いものになるんですが、それだってこのようにたくさん使うと金額に差が出てきます。
また、工場などの工事は、目的を達成する工事がほとんどなので、あまりコストの感覚はありません。
しかたないのですけど、大変な作業ですね!